初期構築費は既存ツールの5分の1、ランニングコストは半分以下に|アルティウスリンク株式会社 様
効率的なインシデント管理を実現するサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」
コンタクトセンター、バックオフィス、営業支援、ITソリューションなど、企業活動を支える包括的なBPOサービスをワンストップで提供しているアルティウスリンク株式会社では、社内運用の各種システムから寄せられるアラートを中心としたインシデント管理や問題管理の基盤として、新たにITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」を採用。急激なコストアップとなった既存ITSMツールを刷新し、コストを抑えながらユーザー数を3倍以上に拡張することに成功しています。
課題
- 既存の外資系ITSMツールが導入時のランニングコストの2倍へ急騰
- 機能が幅広いがゆえに扱いが複雑となり、社内でのユーザー数拡大につながらない
- 手作業で障害状況を全社にメール通知するため、運用の負担が大きい
解決策
- 自社の運用方針に合わせて柔軟に設定できる「LMIS」を採用し、導入・運用コストの最適化を実現
- ITILプロセスを標準化した画面設計と分かりやすい入力インターフェースにより、利用ハードルを解消
- 障害報告をポータル上で共有できる仕組みの整備を進め、メール通知に依存しない全社的な情報共有を目指す
導入効果
ITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」への移行により、使いやすさが大幅に向上した。その結果、ユーザー数は既存ツールと比較して3倍以上に広がった。また導入コストは既存ツールの導入時と比較し約5分の1、ランニングコストも半分以下となり、コスト最適化とユーザー満足度の向上を同時に実現している。
目次
課題海外ITSMツールの費用が急騰、コスト削減につながる環境への移行を計画
KDDIグループの通信・ITノウハウを活かし、DX推進と高度BPOに強みを持つKDDIエボルバと、三井物産グループのネットワークを背景に、幅広い業界対応と専門業務を展開していたりらいあコミュニケーションズが2023年に経営統合して新たに誕生したアルティウスリンク株式会社。国内最大規模のコンタクトセンターリソースと独自のオペレーションメソッドを強みに、多様な企業、官公庁などに対してデジタルBPOサービスを提供しており、専門性の高いIT領域や幅広い海外領域にまで事業を拡大、グループアセットを活かしたワンストップソリューションで多くの顧客から支持されています。
技術統括本部 情報システム本部
システム運用部 システム運用ユニット長
野村 在孝 氏
そんな同社において、社内システムからサービス・ソリューションに関わるIT基盤の構築から運用までを幅広く担っているのが、技術統括本部 情報システム本部です。「私たちが所属するシステム運用部では、インフラの電源管理からサーバー、ネットワーク、アプリケーションまでを含めた運用監視を担当しています。さらに、100を超える拠点に展開する基盤や、約150のサービス基盤の運用も行っています」と、技術統括本部 情報システム本部 システム運用部 システム運用ユニット長 野村 在孝氏は説明します。
基盤運用管理の業務基盤として、当部門では数年前から海外製のITSMツールを導入し、監視ツールからのアラートやインシデント発生時に、ITILに準拠したインシデント登録や問題管理などの運用を行ってきました。機能面で大きな不足はありませんでしたが、契約更新のたびにサービス利用料が積み上がる契約形態であり、コスト増に見合う生産性向上や投資対効果を示すことが次第に難しくなっていました。「まずは使ってみて、どれだけ利便性を発揮できるのか、常に新たな価値創造につなげられるかという挑戦でした」と野村氏。しかし、実際には付加価値を継続的に生み出すことは難しく、数年後にはサービス利用料が当初の倍近くに達していました。
「部内でコスト削減に取り組んでいたタイミングで、為替の影響も重なり課題が顕在化しました。そこで既存環境の見直しが一気に加速したのです」と野村氏は当時を振り返ります。
解決策ITIL準拠でユーザーインターフェースも良好、社内への浸透性を評価
新たな環境づくりにあたり、従来運用してきたITIL準拠のインシデント管理・問題管理、さらに構成管理の機能を継続できることが重要でした。「システム運用部だけでなく技術統括部全体に展開しているため、大きな運用変更はハレーションを起こす可能性があります。その意味でも、従来の運用を踏襲できるものを検討しました」と野村氏は語ります。
製品選定では、長年ITSMを運用してきた経験から運用フローのイメージは明確で、ローコードプラットフォーム構築案も候補に挙がりました。しかし、既存ツールの契約切れが迫っていたため、短期間での開発は困難と判断。結果、ITIL準拠で従来運用を踏襲しやすいツールを中心に選定を進めました。
技術統括本部 情報システム本部
システム運用部 システム運用ユニット
渡辺 優太 氏
その中で注目したのが、ITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」です。ITIL準拠で運用変更が少ないだけでなく、ユーザーインターフェースの分かりやすさを評価したと同ユニット 渡辺 優太氏は語ります。「以前の環境では機能が豊富すぎて、使わない機能も画面に表示され、最初の一歩を踏み出す難易度が高かった印象でした。対して『LMIS』はUIがシンプルで、社内に浸透しやすいと感じました」。ITILを知らなくても型が用意されており、初心者でもプロセスを身につけやすい点も、前職で「LMIS」に触れていた渡辺氏の経験から高く評価されました。
さらに、同社が利用するZabbixなどの監視ツールや、構成管理と連携可能な運用自動化ソリューションKompiraとの親和性も重視。「障害発生時には全社通知が必要ですが、その報告を円滑に発信できる環境づくりも意識しました」と同ユニット 永安 真弓氏は語ります。「LMIS」は外部システムとの連携実績が豊富で、障害通知用のセルフサービスポータルもオプションで利用可能など、要件に適した選択肢でした。
結果として、インシデント管理・問題管理に必要な業務基盤として、ユニリタの「LMIS」が採用されました。
導入効果構築コストは5分の1、ユーザー数が3倍に増えてもランニングコストは半分以下に圧縮
現在、「LMIS」はシステム運用部にとどまらず、開発部門やインフラ構築部門など技術統括本部全体で約100名が活用しています。インシデントの起票や状況確認、再発防止に向けた問題管理の基盤として機能しています。インシデント登録は、監視依頼を受けている約20サービスからのアラートを、24時間対応の障害窓口で受け付け、必要なものを登録する運用です。監視対象外のシステムについても、人手による巡回監視で障害発生時に「LMIS」へ登録しており、今後は全サービスのインシデントを「LMIS」に集約する方針です。
インシデント管理・問題管理に加え、ダッシュボード機能も日常業務に活用しています。「技術統括本部向けの月次障害報告用ダッシュボードや、システム運用ユニット内の個人タスク管理用ダッシュボードを用意し、タスク状況を確認してメンバーをフォローする場面で活用しています」と永安氏。野村氏も、週次の定例会でインシデント状況報告に利用しています。
以前はZabbixからのアラートを自動でインシデント起票し、担当者を割り当てていましたが、短期間での立ち上げのため現在は手作業で起票しています。「以前は月間3,000件ほどのアラートを取り込んでいましたが、現在は月間200件前後を登録しています。今後は自動起票の仕組みを再構築し、省力化を進めたい」と野村氏は話します。
「LMIS」を活用し、内製で新環境を構築したことで、構築コストは従来ツール導入時の5分の1、ランニングコストもユーザー数が3倍以上に増えながら半分以下に抑えることに成功しました。「以前は外部構築でしたが、今回は構築費用も運用コストも大幅に削減できました」と野村氏は評価します。
ダッシュボードの活用も大きな効果のひとつです。「以前はダッシュボード作成まで至りませんでしたが、『LMIS』はテンプレート化できるため、障害状況の可視化やインシデント対応漏れ防止に役立っています。グラフも分かりやすくなったと好評です」と渡辺氏は語ります。利用者にとって使いやすい仕組みだからこそ、ユーザー数も3倍以上にまで伸びているのではと分析しています。
タスク管理も改善しました。「以前は自由度が高すぎて状況把握が難しかったのですが、『LMIS』は必要情報に絞り、入力しやすいと好評です。使いやすさから質問や意見も増え、メンバーと『よりLMISを活用するための前向きな話し合い』ができることがうれしい」と永安氏は語ります。
「LMIS」は汎用的な型が整備されており、業務フローの標準化や判断が容易です。「社内事情で一部機能を実装できない場合もありますが、型がしっかりしているため判断しやすく、標準フローの整備も容易。ヘルプも画面付きで分かりやすく、展開資料として重宝しました。短期間で導入する必要があった当部門にとって非常に助かりました」と野村氏も高く評価します。
環境移行も約2カ月で完了。既存環境の3万件超のインシデント管理データをCSV形式で抽出し、「LMIS」の基盤であるSalesforceのData Loaderで投入することで、大量データもスムーズに移行することに成功しています。「短期間での移行だったため、ユニリタの専任担当者と密に連携し、オンラインミーティングで迅速に課題を解決できました。非常に手厚い支援に感謝しています」と野村氏は語ります。渡辺氏も「課題管理表をベースにやり取りし、Sandbox(開発・検証環境)でテスト環境を構築してもらえたことで、あたかも構築を任せてしまっているような気持ちで安心して内製化を進められました」と振り返ります。
今後の展望構成管理に加え、リリース管理や変更管理などさらなる機能活用に期待
現在は、以前のITSMツールで利用していた構成管理を「LMIS」では未実施ですが、今後は「LMIS」が持つ構成管理機能の活用も視野に入れています。「2023年に2社が合併したことで、IT資産が個別に管理されており、その情報を統合したうえで構成情報を整理する予定です。システム統合の過程で『LMIS』の構成管理機能も検討したい」と野村氏は話します。さらに、当初構想にあったKompiraとの連携による構成情報の自動更新も視野に、省力化を進める考えです。加えて、リリース管理や変更管理など、他のITILプロセスへの展開にも取り組んでいきたいと意欲を語ります。
障害情報の全社通知についても改善を検討中です。現在はメールで通知していますが、通知前に現場から問い合わせが寄せられるケースが多く、全社一斉に情報共有できる仕組みを整えたいと考えています。「ニュースサイトのように障害情報をWeb上でリアルタイムに掲載し、迅速な情報共有を実現したい。SharePointとの連携も視野に、『LMIS』で集約したインシデント情報をうまく展開し、問い合わせ件数を減らしたい」と永安氏は話します。「SharePointも便利ですが、一元的に情報を表示できる方が確認しやすい場面もあります。『LMIS』のオプションであるセルフサービスポータルも検討したい」と渡辺氏も語ります。通知環境が整えば、メンテナンス予定の周知などにも活用できると期待しています。
さらに、情報活用の観点では「LMIS」に集約されたデータをMicrosoft Copilotで分析する取り組みも進行中です。「組織体制への指摘や、同一インシデントの再発防止策など、AIからのアドバイスを受けるケースもあります。『LMIS』とAIを連携させることで、業務効率化や利便性向上にさらに役立てたい」と野村氏に語っていただきました。

アルティウスリンク株式会社
事業内容①カスタマーサクセスサービス、②コンタクトセンターサービス、③ビジネスアウトソーシングサービス、④コーポレートアウトソーシングサービス、⑤ITアウトソーシングサービス、⑥グローバルサービス、⑦人材派遣、保険代理店、電報等のサービス提供
設立 1996年5月30日
従業員数 連結 約56,000人
