グループ全社のIT全般統制を「LMIS」で統一|旭化成株式会社 様
柔軟かつ厳格な証跡管理で、あるべきプロセスを実現
総合化学メーカーとして幅広い事業領域を展開する旭化成株式会社では、部門ごとに分散していた監査対応をいかに効率化し、一元的に管理するかが重要な課題となっていました。この課題に対して、同社はIT全般統制の管理ツールを統合する方針を打ち出し、ITILに準拠したサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」を採用。
評価対象部門への段階的な展開により、監査時にも柔軟かつ迅速に対応できるIT統制プロセスを実現し、グループ全体のガバナンス強化と運用効率化に大きく寄与しています。
課題
- 事業領域が多岐にわたり、事業ごとに最適な業務基盤を整備してきたため、IT全般統制に必要なプロセスが多様化し、監査対応の効率性に課題があった
- 短期間でコンパクトかつ柔軟な統一された新たな統制環境を整備する必要があった
解決策
- 「LMIS」によって全社共通のIT全般統制プロセスを実装し、監査対応の一元化・効率化を実現
- コンサルティング段階から参画し、ITILに基づく理想的な業務フローを積極的に提案。これにより、短期間での移行および再整備を実現した。また、自立的な運用スキルの定着を支援
導入効果
- 「LMIS」の導入により、問題管理・変更管理・リリース管理をはじめとしたIT全般統制プロセスを先行部署で運用開始し、証跡管理の効率が大幅に向上
- 運用開始から4カ月で1,500件超の申請・承認ログが蓄積され、監査時の情報提供までのリードタイム削減に寄与
目次
課題IT統制プロセスに欠かせないワークフローの刷新が契機に
1922年の創業以来、化学を基盤とするコア技術を発展させながら、「ヘルスケア」「住宅」「マテリアル」という3つの領域で事業を展開している旭化成株式会社。現在は2030年に目指す姿の実現に向けて策定された「中期経営計画2027 Trailblaze Together」を推進しており、“Diversity(多様性) × Specialty(独自性)”という同社の強みを進化させながら、投資成果の創出による利益成長と資本効率の改善を進めています。グループ全体でのチーム力を結集させ、顧客や同業他社、投資家などとの共創によって、持続的な企業価値向上を目指しています。
IT統括部 戦略・企画グループ
大田 亜紀子 氏
そんな同社は、2021年から5年連続でDX銘柄に選定されるなど、積極的にDX推進への取り組みを進めており、DX推進のロードマップにおけるデジタルノーマル期にある今、全従業員がデジタル活用のマインドセットで働く「全従業員デジタル人財化」に向けた各種施策を進めています。「DX推進に向けた基盤整備が一段落した今、ITリテラシーの強化とともに、ITガバナンスやセキュリティに関する課題が顕在化してきており、その課題解決に取り組んでいくのが、IT統括部の大きな役割となっています」とIT統括部 戦略・企画グループ 大田 亜紀子氏は説明します。
監査対応においては効率性に課題があり、それらを改善できる新たな基盤整備が必要な状況でした。「社内では、監査対応に必要なIT全般統制の証跡を、複数の仕組みを使い分けて管理していました。このため、申請・承認情報がさまざまな場所に分散し、必要な情報の収集に時間を要し、監査対応にも多くの時間を要していたのが実情です。さらに、長年使ってきた基盤のサポート終了が近づいたことから、統制業務を効率化できる新たなプラットフォームの整備が急務となっていました」と大田氏は説明します。さらに同じタイミングで、社内でIT全般統制の強化につながる標準的なワークフローの整備に関する機運の高まりもあり、新たな基盤づくりに向けたプロジェクトが始まりました。
解決策ユニリタグループ全体での支援を含め、社内評価や短期間での立ち上げが可能な点を評価
新たな基盤づくりに向けては、同社では監査部を中心に企業として必要なIT全般統制の要件を満たすことを前提に、複数のソリューションを候補として挙げました。環境変化に応じて迅速にルールを見直し、また改善できる仕組みの構築を目指し、ワークフローツールやプロジェクト管理ツールなど、幅広いジャンルのソリューションに関する情報を収集し、比較検討を進めていました。
その過程で注目したのが、ITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」でした。「評価対象となる業務システムを運用する被評価者側で『LMIS』を利用した経験があり、IT統制の強化に向けた基盤として信頼できるという声がありました」と大田氏は振り返ります。変更管理やリリース管理を利用したシステム変更の証跡管理が可能なだけでなく、自社と協力ベンダーが同じ情報にアクセスし、それぞれ進捗を確認できるところも好評でした。数年前までは関係会社で被評価側の立場だった大田氏は、「LMIS」の管理体系であれば過年度の情報も含めて容易に把握できるなど、利用者の立場としてもメリットが得られると考えたのです。
さらに、「LMIS」というソリューションはもちろん、株式会社ビーエスピーソリューションズによるコンサルティングや株式会社無限による構築など、ユニリタグループでの支援体制が得られる点も高く評価しました。「われわれをしっかり調査したうえで、提案資料を作り込んでいただき、やりたいことに対してだけでなく、要件を読み取ったうえでプラスアルファの提案も数多くいただけました。利用するシーンが想像しやすく、応用もできるのではという想像力を掻き立てる提案資料だったのです」と大田氏は話します。
こうしたユニリタグループの支援体制に対する高い期待から、監査対応を一元化・効率化できる新たなIT統制プロセスを支える基盤として「LMIS」が選択されました。
導入効果グループ全体のIT統制強化の基盤として整備、監査プロセスの工数削減に貢献
現在は、問題管理を中心に変更管理やリリース管理のプロセスで「LMIS」を活用しており、内部統制上の評価対象である部門が運用するERPなどの20を超えるシステムに関して、社内メンバーやグループ会社、そして運用委託先ベンダー合わせて270名ほどが日々利用しています。また、IT統制に関わるプロセスが一元的に「LMIS」で管理されるようになり、適宜証跡が記録・蓄積されています。今後、想定している評価対象部門全てに展開すれば、最終的なユーザー数として400名を超える規模となる見込みです。
「LMIS」の活用が加速することで、内部統制に関わるプロセス管理の工数は大きく削減され、監査法人への情報提供リードタイムも短縮される見込みです。「手続きの標準化によって、われわれ内部統制を評価する側の工数も確実に下がってくるはずです」と大田氏。「IT統制に必要な手続きの進捗を可視化できるダッシュボードが利用者に活用されており、その使いやすさが好評です」と同グループ 藤谷 拓矢氏は現場の声を話します。
IT統括部 戦略・企画グループ
藤谷 拓矢 氏
現場での使い勝手の良さに加え、システム自体の柔軟性も運用工数削減を後押ししています。「『LMIS』は、自分たちの課題に合わせた業務・システム要件に対して、柔軟に改修していけるシステム仕様になっています。実際、コントロールの増加に伴い、私たち自身で統制識別用の管理番号をスピーディーに設定追加できました。こうしたシステム要件への変化に対しても、即座にシステム反映ができるため、作業を外部委託する場合と比較し、変更にかかるコストやリードタイムを抑えた運用が可能だと確信しています」と藤谷氏はその拡張性と保守性の高さを評価します。
また、Salesforce上に展開する「LMIS」だけに、欲しい機能をネット上でも探しやすく、現場からの要望に応じて対応策が見つけやすいと好評です。「現場が困っていることに対して対応できるケースが多く助かっています」と藤谷氏は話します。「運用開始後間もない段階ながら、現場からは使い勝手の良さに関するポジティブな声が寄せられています。コントロールの変更要求にすぐに対応できている点からも分かるように、『LMIS』の利便性はかなり高いと評価しています」と大田氏はコメントしています。
今回は「LMIS」を提供するユニリタとともに、コンサルティングや構築も含めたユニリタグループ全体で同社の環境整備の支援を行いました。「社内で保守運用体制を整えるためテスト環境を作成していましたが、その環境作成を進める過程でエラーが発生し、作業が進まない状況となっていましたが、適切なご支援により原因を特定し、環境構築まで完了することができました。迅速かつ的確にご対応いただき、大変助かりました」と藤谷氏は語ります。
大田氏も「本当に根気よく私たちの立場になってヒアリングしていただき、多くの提案がありました。特に監査に向けての必要な機能や運用についてのアドバイスがあり、われわれが気付かないことも助言いただくなど、本当にありがたかった」とコンサルティングに関して高く評価します。想定していた運用を上回る解決方法が提示されるなど、豊富な経験とノウハウを持つユニリタグループの手厚い支援に感謝していると大田氏は語ります。
今後の展望評価対象部門を拡大させながら、グループ全体のIT統制をさらに強化していきたい
「現在は一部の評価対象部門に展開が進んでいる『LMIS』ですが、今年度の監査対応を通じて改善を進めていくことを念頭に『LMIS』の成熟度を高めていく計画です。また、社内の監査部や監査法人などに対してアカウントを付与し、厳格な権限管理に加えて、IT統制の証跡をそのまま確認できる環境を整えていくことで、監査の確認作業も効率化できると思っています。こうした仕組みづくりも、検討していきたいと考えています」と今後について大田氏に語っていただきました。

旭化成株式会社
事業内容ケミカル、生活製品、繊維、エレクトロニクス、医薬品、医療機器、住宅、建材
設立 1931年5月21日
従業員数 50,352人
