把握が困難だったヘルプデスク業務の可視化を実現!|株式会社ホンダアクセス 様
~対応状況の可視化だけでなくユーザ満足度向上や業務改善にも貢献~
Honda車専用の純正アクセサリーを開発、販売する株式会社ホンダアクセス(以下、ホンダアクセス)は、本田技研工業株式会社の連結子会社として、ドライブの安心・便利をサポートするパーツからコンプリートモデルまで、カーライフの楽しみを広げる商品を幅広く提案しています。
同社では、ヘルプデスク現場における対応状況の可視化を実現するため、ユニリタの「LMIS(エルミス)」を導入しました。今回、製品選定や導入に携わった同社情報システム部の2名の方に、導入に至った背景や導入後の効果についてお聞きしました。
導入メリット
- ユーザの希望納期をどれだけ順守できたか等、ユーザ満足度向上の観点からの評価を実現
- PDCAサイクルの改善活動における、有効施策の必要性に関する情報が得られる
- 強力なレポート機能によって報告書作成の効率化に大きく貢献
目次
導入の経緯担当領域別に情報が分散、対応状況の把握が困難に
情報システム部 CIT BL
シニアエキスパート
島田 肇氏
本田技研工業株式会社の連結子会社として、Honda車と同時一体開発による純正アクセサリーのほか、純正ナビゲーションシステム「Gathers(ギャザズ)」シリーズや、カスタマイズブランド「Modulo(モデューロ)」としてアルミホイール、サスペンション等を幅広く展開しているのがホンダアクセスです。さらに、同社では、Honda車を知り尽くした熟練のエンジニアが「匠の技」を注いで完成させるコンプリートカーブランド「Modulo X(モデューロ エックス)」の開発や国内レース最高峰の一つであるSUPER GTのスポンサーを務め、Moduloブランドの認知拡大や新たなファンづくりに取り組んでいます。
ホンダアクセスでは、社内で利用するPCに関する問い合わせや障害対応に関する窓口としてヘルプデスクを情報システム部内に設け、ヘルプデスクで解決できない事象についてはその領域を担当する協力会社にエスカレーションされ問題を解決しています。
これまでインシデントの記録は、領域担当ごとに個別のツールを用いて協力会社と連携しながら日々のインシデント対応を行ってきました。「そもそもグループごとにバラバラに情報管理されていたため、私が今の仕事に着任した当時は、誰が何の対応をしていて、それぞれの進捗状況がどうなっているのかを把握することが困難だった」と情報システム部 CIT BL シニアエキスパート 島田氏は当時を振り返ります。問い合わせ元の部署から進捗状況を聞かれたとしても担当者に状況を確認しないと説明できない状況だったため、ユーザ要求の対応状況を可視化していく必要性がでてきました。
状況を可視化する上で大きな指針となったのがITILの考え方でした。「これまではインシデントを記録する機能しかなかったので、全ての対応をインシデントで表現していましたが、ITILでは恒久対応はインシデント管理から問題管理へエスカレーションして別管理とし、さらに改訂する場合は変更管理やリリース管理で管理するといった非常にわかりやすい管理構造になっていますから、既存の運用をITILに当てはめて整理していくことで、対応状況の可視化につながると考えました」と島田氏は説明します。
選定のポイントITILに準拠した運用がすぐに始められる「LMIS」
情報システム部
部長
橋本 昌浩氏
従来の対応フローを棚卸した上で、これまで行ってきたインシデント管理はもちろん、問題管理や変更管理、リリース管理といったITIL準拠の運用とのフィット&ギャップを行いました。これらの情報を効率的に管理できる基盤を整備するべく、ITIL準拠のソリューションを検討することになりました。
そこで目を付けたのが、ユニリタが提供する「LMIS」でした。「実際にリリースや変更などの記録はインシデント管理の中で行っていましたので、ピンポイントであれば情報を探すことはできます。しかし、全体としてどうなっているのか、仕事の負荷はどうかといった情報が把握しづらい状況でした。ITILでの管理手法に切り替えることで、可視化が進むと考えました」と同部の部長 橋本氏は語ります。
また、システム改修といった具体的な対応は、複数のパートナー企業(以下、ゲスト)が作業を行っていましたが、「以前は紙で作成された依頼書をインシデント管理の仕組みに入力した上で、その依頼書を直接ゲストに渡していました。渡した後の進捗はゲストがどう対応しているかを把握することがむずかしく、きちんと作業依頼の証跡を残した上で進捗の管理ができる、何らかの方法が求められました」。そこで島田氏が注目したのが「LMIS」のタスク機能でした。「タスク機能を用いることで、システムを通して作業依頼を行うことができ、誰から誰に作業依頼を行ったのかが自動で記録されるため、作業依頼の証跡が後追いできると考えたのです」と島田氏は語ります。
他にもITIL準拠の製品は検討したものの、高価で構築までに時間がかかるものが多かったと語ります。「クラウドサービスであるLMIS であれば、すぐに試すことができます。現行の運用をITILに準拠させ、すぐに対応状況を可視化したかったため、まさにLMIS は最適なサービスでした」と島田氏は話します。また、導入後も、ユニリタのグループ会社である株式会社ビーエスピーソリューションズが継続的なコンサルティングを手がけており、「ITILの豊富な知識と経験を生かしたコンサルティングがあったからこそ、ITILに準拠した運用の定着だけでなく、継続的な改善活動が可能になった」と島田氏は評価しています。
結果として、同社のヘルプデスクにおける管理基盤として「LMIS」を採用し、ITIL準拠での運用管理をスタートさせることになりました。
導入の効果可視化はユーザ満足度向上や業務改善のヒントをも生む
現在は、同社のヘルプデスク担当者や情報システム部門、ゲストの管理者の約60名が「LMIS」を利用し、月に400件ほど発生する問合せやインシデントの対応を行っています。電話や申請システムを通じて寄せられた情報は「LMIS」のインシデント管理に全て登録され、システム変更が必要な場合は変更の可否を判断する組織(CAB)にて変更可否判断を行い、リリース作業の結果をリリース管理に記録するといったITIL準拠の運用管理プロセスで日々の運用が行われ、結果としてIT統制の高さを証明することになりました。IT全般統制の証跡としても活用されています。
ITIL準拠の運用への変遷イメージ
「LMIS」を導入したことで、「対応状況やゲスト別の作業依頼状況などが容易に把握でき、ユーザの希望納期をどれだけ遵守できたかといったユーザ満足度向上の観点からも評価できるようになった」と橋本氏は語ります。
また、「維持運用の中で行うPDCAサイクルの改善活動において、次にどのような施策が必要かを考えるための情報が得られたことはとても大きい」と同氏は可視化できた効果を振り返ります。さらに、報告書作成についても、以前はインシデントの対応状況を集計するだけで一苦労だったが、「LMIS」の強力なレポート機能によって報告書作成の効率化に大きく貢献したと評価しています。
LMISでの可視化イメージ
これから今後は入力負荷軽減に向けた取り組みを加速
「LMIS」そのものの完成度が高いだけでなく、無料でテスト環境を簡単に作成でき、設定変更が必要になった場合も十分な事前検証が行える点も評価いただいています。
「今後は、電話で受けた問い合わせの入力負荷軽減について、チャットボットやRPAなどを用いて省力化を行うなど、新たな取り組みにも挑戦していきたい」と橋本氏は締めくくりました。
株式会社ホンダアクセス
事業案内
本田技研工業株式会社が販売する四輪車に関する純正アクセサリーの商品企画から設計、開発、生産・販売・在庫管理までを一気通貫で手がける
設立 1976年(昭和51年)8月2日
従業員数 730名(2018年4月1日現在)