内部統制強化に向けたヘルプデスクの基盤として「LMIS」を採用|株式会社JSP 様
~運用ノウハウが凝縮されたテンプレートで、問い合わせポータルを短期間で構築~
写真左から:株式会社JSP 八木氏、加藤氏、都築電気株式会社 加藤氏、株式会社ユニリタ 長谷川氏
発泡プラスチック製造を事業の中核に据える株式会社JSPでは、社内から寄せられる各種申請や問い合わせ対応の管理に利用してきたExcelを刷新し、新たにヘルプデスクの基盤となる環境を整備。また、Web上から申請・問い合わせができるポータル機能を実装することで、内部統制を強化しながらヘルプデスク運用の効率化を実現しています。そこで活用されているのが、ユニリタが提供するクラウド型ヘルプデスク「LMIS」です。
導入メリット
- 問い合わせ内容が正確な「見える化」を実現
- 部内の運用報告会におけるレポート資料の作成を容易に
- LMISの情報を直接、監査法人にも見てもらうことで、対応工数を削減
導入オプション・サービス
- LMIS/セルフサービスポータル
- Waha! Transformer
- 帳票DASH!
目次
導入の経緯転記作業の軽減や煩雑な承認プロセスの改善を目指す
経営企画本部
情報システム部
システム企画・開発グループ
主査
加藤 大輔 氏
発泡スチロールの一種である発泡スチレンシート(PSP)事業を軸に1962年に創業し、現在は発泡プラスチック製造における国内大手企業の1つとして業界をけん引する株式会社JSP。独自の発泡技術を駆使して石油化学原料を加工することで、食品包材・容器をはじめ、自動車用緩衝材や産業用包装材・緩衝材、建築土木用資材、IT関連材料といったさまざまな種類の化学製品を手掛けており、人々の暮らしに役立つ分野へ商材を提供しています。
同社では、以前から情報システム部門に対して、マスターデータの登録といった開発関連の依頼やPC環境の整備といった作業依頼を紙による依頼書で受け付けており、その内容をExcelで作成された台帳に転記することで進捗管理を行ってきました。転記作業に無駄な工数が掛かっていたことはもちろんですが、内部統制上、証跡が管理されておらず、監査時の調査にも時間が掛かることも問題になっていました。そこで、Excelによる台帳管理を刷新し、申請承認プロセスを可視化することで内部統制の強化につながる基盤整備を決断。ITサービスマネジメントの基本となるITIL準拠の仕組みを念頭に検討した結果、ユニリタが提供するクラウド型ヘルプデスク「LMIS」が採用されました。
「LMIS」を利用するにあたっては、情報システム部内での申請承認プロセスを実現することが必要です。そこで効果的だったのが、開発パートナーとして「LMIS」導入に関わってきた都築電気株式会社(以下、都築電気)が提供する「都築モデル」というテンプレートでした。「システム変更の緊急度・影響度に合わせて、承認プロセスを切り替えての管理が可能になります。当社がシステム運用の現場で培ってきたノウハウを反映したテンプレートです」と都築電気 ソリューションサービス本部 クラウド&サービス統括部 サービスビジネス部 副部長 加藤氏は語ります。
「LMIS」の導入後はヘルプデスクの基盤として活用し、情報システム部に寄せられる申請や問い合わせといった各種インシデントの管理を徹底してきました。しかし、エンドユーザからの開発依頼や作業依頼は依頼書が紙で届くため、この依頼内容を都度、手作業で「LMIS」に入力しなければならないという問題が残っていました。
選定のポイントエンドユーザからの依頼をセルフサービスポータルからの申請に変更
経営企画本部
情報システム部
システム企画・開発グループ
主査
八木 貴志 氏
そこで、ヘルプデスク基盤のさらなる改善として、申請者自らが直接、申請情報を入力可能な申請ポータルの仕組みの導入を検討しました。その中で同社の目にとまったのが、「LMIS」のオプション機能である「セルフサービスポータル(以下、SSP)」です。SSPは既に同社のヘルプデスク基盤となっていた「LMIS」との情報連携が容易です。「他社製品も検討しましたが、当社の運用に沿ったワークフローとして改修しなければならないものや、テンプレートがなく一から開発しなければならないものが多く、当社が想定した予算も考慮すると厳しいものばかり。その点LMIS であれば既存の運用を踏襲できますし、SSPの機能を利用することで、申請者自らの入力で転記作業の負担も減らせると考えたのです」とシステム企画・開発グループ 主査 八木 貴志氏は語ります。申請レコードごとにメール履歴が管理できるなど、同社が求める機能が十分備わっていた点も大きく評価されました。
導入の効果情報システム部の業務効率化と、業務品質の向上にも大きく貢献
現在は、「LMIS」を中心にOA機器の購入申請やシステム変更依頼、PCの障害といったインシデント管理など、情報システム部が社内から受け付けるさまざま業務が管理されており、申請の一部がSSP経由で行われています。
SSPを用いた問い合わせフロー図
稼働後、わずか2ヶ月余りで問い合わせが300件を超え、以前の約3倍の申請情報が登録されています。「これまで電話で済ませていた内容もすべて「LMIS」内に記録されるようになり、問い合わせ内容が正確に見える化できるようになりました」と加藤氏。全体が把握できるようになったことで、担当者への作業配分もしやすくなり、結果として情報システム部における作業の効率化につながっています。
「以前は申請内容を転記したうえで、申請書原本のPDF化を行い、それらの情報をひもづけていました。この作業だけでも相当な工数が掛かっていましたが、今はほぼ時間がかからずに情報が共有できるようになり、以前に比べても問い合わせ対応が迅速化できている」と八木氏は語ります。
「今は問い合わせの状況を社員に公開しており、誰がどこまで対応しているのかが一目瞭然です。過去の障害履歴も確認できるなど、利用者への具体的なメリットをしっかりと伝えることも意識しました」と加藤氏はSSP利用開始のための工夫を語ります。以前は誰に問い合わせて良いか分からなかった内容も、SSPから申請することできちんと対応につながるようになった面も。「大きい組織になればなるほど、誰に何を問い合わせしていいか判断がつかなくなります。今は安心してSSP経由で問い合わせ可能になっており、心理的にもいい効果が出ているはず」と八木氏は力説します。
管理者画面
SSPを利用した「LMIS」へと切り替えたことで、作業依頼から完了まで同一DBに情報が蓄積できるようになり、作業負荷を軽減しながら、業務品質が確実に向上していると加藤氏は語ります。また「LMIS」のレポート機能を活用することで、問い合わせやインシデントの傾向が可視化できるようになり、「部内の運用報告会におけるレポート資料の作成も容易になっています」と八木氏は評価します。さらに証跡がきちんと残せるようになり、内部監査への対応も容易になったとも。「半期に一度内部監査を実施していますが、今ではLMISの情報を直接、監査法人にも見てもらうなど、監査対応にも大いに役立っています。証跡がきちんと管理できているおかげです」と加藤氏も評価しています。
ユニリタについては、「当社に適した製品を提供いただいたことで、業務効率化と内部統制強化を達成できました。サポート面も含め、安心して利用させていただいています」と加藤氏は評価します。また、「LMIS」のカスタマイズ性の高さについても評価の声が挙がっています。「基本はインテグレータである都築電気にお願いしていますが、簡単な項目変更や権限変更は当社でも対応可能です。すでに当社で実装した機能もあり、使いやすさを実感しています」と加藤氏は語ります。
実際の開発から運用までを手掛けている都築電気については「当社から出す要望に真摯に対応いただきました。エンドユーザへの説明会を行う中で修正点が出てくることもありましたが、それもすべて反映していただきました。とても感謝しています」と八木氏は高く評価します。
これから他部門の問い合わせ業務にも「LMIS」を拡張
今後については、このヘルプデスクの基盤を他部門へ展開することも検討しています。「現在は法務部門での利用を進めていますが、問い合わせの管理はさまざまな部署で行っています。その管理業務に利用したいという声があれば、ぜひ展開していきたい」と加藤氏は語ります。
また情報システム部では、システム変更に伴う構成管理の基盤としても「LMIS」を利用したいと期待を寄せています。
すでに活用しているETLツールの「Waha! Transformer」や、基幹系システムにおける帳票作成・管理ツール「帳票DASH!」など、ユニリタの持つほかのソリューションも含めて、ユニリタには今後も期待していると加藤氏は話されました。
株式会社JSP
事業案内
発泡プラスチック、その他合成樹脂製品の製造販売及び輸出、土木・建築工事の設計・請負及び管理
設立 1962(昭和37)年1月
従業員数 単独 744 名(出向者除く)、連結 2,855 名(2017.3.31 現在)