サービスを支える業務基盤の統合で運用負荷を3分の1まで軽減!| CTCシステムマネジメント株式会社 様
ITIL準拠の「LMIS」と「LMIS/コンシェルジュ」で、システム運用の業務効率を大幅に改善
高度なITシステム運用サービスを提供しているCTCシステムマネジメント株式会社では、顧客向けに提供しているリモート運用サービスにおける業務基盤となるITSMプラットフォームに、ユニリタが提供するITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」を採用しています。
課題
- 顧客の要望により複数の異なるインシデント管理ツールを受け入れたため、業務効率が低下
- 顧客ごとに異なる管理ツールやドキュメントにより稼働が増加し、属人化が発生
- 顧客の増加に伴い運用資料も増加し、必要なときすぐに関連資料を探すことが困難に
解決策
- 「LMIS」を業務基盤とし、業務の効率化を実現
- 「LMIS」がもつ標準機能で既存の業務を統合。業務の流れをGUIにより容易に設計
- 「LMIS」のフロー機能により資料を探す手間が3分の1に軽減
導入効果
CTCシステムマネジメント株式会社が提供するリモート運用サービスにおいて、顧客ごとに個別管理していたインシデント登録などの管理ツールを、ITILに準拠したユニリタの「LMIS」へ統合。情報の集約とフローの標準化によりオペレーターの運用負荷を3分の1まで軽減。さらに、「LMIS/コンシェルジュ」によるサービスポータルサイトを顧客ごとに提供することで、サービス品質向上にも貢献。
目次
課題組織再編で属人化した運用からの脱却を目指す
ハイブリッド運用サービス本部
ハイブリッド運用サービス部 第1課 主任
岩崎 由樹 氏
ITシステム運用サービスの専門知識と30年以上積みあげてきた実績を活かしたノウハウで、多くの顧客に高度なITシステム運用サービスを提供しているCTCシステムマネジメント株式会社。情報通信サービスから衛星通信・放送、金融システム、流通システム、データセンター、製造業含めた社会・エンタープライズなど各領域への運用サービスを展開しており、ITセキュリティやITインフラ構築、ネットワーク設計構築、アプリケーション開発など、高度な専門技術とCTCグループの幅広い提案力を武器に、顧客への最適なソリューションを提供しています。
そんな同社において提供しているサービスの1つが、顧客が運用しているITシステムの運用をシェアード型で請け負っているリモート運用サービスです。24時間365日の体制で顧客のITシステムを運用するもので、要望に応じてさまざまな粒度でITシステムの運用サポートを提供しています。「シェアードの環境だからこそ、最適なパフォーマンスでサービス提供が可能になっており、特定の内容に限定することなくお客様が求める最適な支援内容を提供できるのが特徴です」とハイブリッド運用サービス本部 ハイブリッド運用サービス部 第1課 主任 岩崎 由樹氏は話します。「社内のヘルプデスク的な運用を請け負うケースもあれば、情報システム部門の代わりとして全面的な運用支援を提供することもあるなど、サービス内容は幅広いものになっています」とつづけて岩崎氏は説明します。
ハイブリッド運用サービス本部
ハイブリッド運用サービス部 第1課
関 貴幸 氏
リモート運用サービスでは、顧客システムからのアラート通知を契機に、そのインシデントを特定して対処していく運用を行っていますが、かつてはExcelを駆使する案件もあれば、インシデント管理専用のツールを活用する案件もあるなど、案件ごとに個別のツールを活用していた経緯がありました。「お客様によってインシデント管理しているツールが異なっており、受け入れ段階でそのツールを使って欲しいとお願いされる場合もありました。こちらにお任せいただくことも当然あって、結果としてツールがバラバラの状態になりました」と岩崎氏は当時を振り返ります。
そんな折、岩崎氏が所属するリモート運用サービスと別の拠点で実施していたリモート監視サービスの部門が統合する計画がもちあがり、組織再編をきっかけに統合的な環境としてITSMプラットフォームの導入を検討することになったのです。「ツールごとに操作方法が異なり、属人化が進んでしまいました。また、不明点などは調査や社内有識者への確認などの無駄な時間が多く発生し、運用負荷が高騰しました」と同課 関 貴幸氏は当時を振り返ります。
解決策標準機能で運用が網羅できるなどカスタマイズ不要、ポータル機能も将来像にマッチ
新たな環境づくりにおいては、メンテナンス性の高さからクラウド環境で利用できるものを前提に、顧客から通知されるアラートからのインシデント管理や顧客管理といった同社の運用上必要な機能が網羅されているITSMプラットフォームを中心に検討を開始。個別に作りこまなくとも運用含めてスムーズに展開できる点を重視しました。「他のツールで運用していたときは、運用フローに合わせる形でカスタマイズを繰り返してしまい、属人化によって担当者がいなくなればメンテナンスが困難になることも。過去苦い経験を繰り返していたため、できる限り運用者が維持管理して運用を回していけるものが求められたのです」と語るのは、ソリューション・開発本部 インフラ技術サービス部 エキスパート 講神 由宏氏です。
ソリューション・開発本部
インフラ技術サービス部 エキスパート
講神 由宏 氏
実際には社内で取り扱っているソリューションも含めて、複数のソリューションを候補にあげ、最終的に注目したのがユニリタの「LMIS」でした。「グローバルでシェアのあるものは、ライセンス費用が1桁違うなどコスト感が全く合いませんでした。他のソリューションも作りこみをすれば使いやすいものの、結局カスタマイズが前提となってしまう。また、ソリューションの検討とは別に組織統合による案件移管も同時に実施する必要があったため、基盤構築に時間のかかるものは避けたかったのです。検討を進めていくなかでITIL準拠の『LMIS』であれば、標準機能でわれわれにマッチした形で運用できることが分かりました」と岩崎氏は話します。
また、検討時は視野に入っていなかったものの、プロジェクトのなかでは単にサービス移管だけでなく、サービスそのものの改善を通じて従来にはない機能提供を検討しており、新たなサービスとしてポータルサイトを提供することを起案しました。「『LMIS』であれば、『LMIS/コンシェルジュ』と呼ばれるポータル機能でお客様との情報共有も容易になるなど、われわれが目指す方向性にマッチしていたのです」と岩崎氏は語ります。
トライアル環境で実際に触ってみながら検討を進め、最終的には「LMIS」および「LMIS/コンシェルジュ」が同社の新たなITSMプラットフォームとして選択されることになったのです。
導入効果3分の1まで工数を削減、ポータル提供で顧客への安心感も提供
「『LMIS』を導入してから1年ほどが経過した現在、40%ほどの案件で活用されており、24時間365日運営しているサービスで20名ほどのオペレーターが実際に『LMIS』でのシステム運用を実施しています。お客様ごとに運用には差異がありますが、基本的には監視先のシステムからのアラートに基づいた対応フローに沿って一次対応を実施します。その段階でクローズするものもあれば、継続が必要な対応はオープンな状態で引継ぎを実施し、最終的にクローズにもっていく流れとなります」とハイブリッド運用サービス本部 ハイブリッド運用サービス部 第2課 岡村 朋弥氏は説明します。
「インシデントとして起票されるアラートの数は、対応不要として起票しなかったものを除外しても毎月数千件規模に達している状況です。なお『LMIS』の展開については、直近では全案件の60%にまで移行していくことが計画されており、案件ごとの事情を加味しながらいずれは全案件を『LMIS』に集約していきたい」と関氏は今後の展望を語ります。
ハイブリッド運用サービス本部
ハイブリッド運用サービス部 第2課
岡村 朋弥 氏
また、顧客へポータルサイトを提供するための「LMIS/コンシェルジュ」は、「LMIS」導入後から数カ月後に展開を開始しており、一部の案件から案内を開始しながら少しずつ提供を進めています。「ポータルサイトでは、アラートとして取り込んだインシデント情報はもちろん、お客様自身が起票した問い合わせや作業依頼に関する情報も確認できるようになっています」と岩崎氏は説明します。
業務基盤として「LMIS」への統合を進めている段階ですが、以前はアラート発生から対応に必要な資料や手順を探すまでに多くの時間を要していました。現在は「LMIS」のフロー機能のガイドを用いることで資料や手順を探す手間がなくなり、アラート発生から対応完了まで体感で3分の1まで短縮できている状況にあります。「複数のお客様に対応するため、どうしても資料がどこにあるのかが把握しづらい状況にありました。今はフローの機能でその場所を示すことができ、工数削減にも大きく貢献しています」と岡村氏は評価しています。
また、フロー機能を活用し他の運用ツールと連携することで、作業の効率化や自動化を行う仕組みを同社はDXフローと名づけました。
※DXフローとは
顧客ごとに異なる様式の業務フローや手順書は廃止し、「LMIS」上に標準化したフローを新規構築。全ての顧客で標準の業務フロー/手順を適用すると共に、「LMIS」を起点に各運用ツールへ自動連携。誰が作業をしても同じオペレーション品質となることを目的としたITシステム運用におけるCTCシステムマネジメントの取り組みの総称。
「LMIS/コンシェルジュ」については、一部の顧客に提供し始めた段階ではあるものの、インシデントの対応状況がリアルタイムに共有されており、必要なときに状況を確認できることが好評です。「リリース直後のため評価は今後確認予定ですが、今までメールや電話でやり取りしていた情報がポータルから把握できるようになったことで、担当者はお客様とのやり取りの手間が減りました。お客様も最新情報がいつでもポータルから確認できるため、以前よりも安心感を得られているはずです」と講神氏も高く評価します。
オペレーターからも「LMIS」に対する評価の声が寄せられています。「『LMIS』に対する反応が良く、移行途中の段階でも早く移行して欲しいという要望がかなりあがっていました。あいまいな情報は正直とてもストレスを感じるものですが、『LMIS』であればしっかりとフローが提示されるため安心感をもってオペレーションできる点をオペレーター自身も感じたのでしょう」と岩崎氏は話します。
「LMIS」については、「フローの作成については、基本的にGUI上で直感的に操作しながら設定していけます。簡単に作っていくことができるため、とても助かっています」と岡村氏は評価します。「使いやすさや見やすさはトライアルのころから評価していました。不明点があればWeb上にある公式のマニュアルで調べることができますし、サポートに問い合わせても丁寧に回答いただけています。とてもありがたいと好評です」と岩崎氏も話します。講神氏も「必要なものが標準機能で用意されています。欲しい機能がちょうどいい感じにシンプルに提供されている印象で、例えば構成管理など他社ではオプションでも『LMIS』だと標準機能で利用できるなど、メリットが大きい。日本のメーカーだけに、直感的に分かりやすいGUIをもっている点も気に入っています」と評価します。
ユニリタについて、「『LMIS/コンシェルジュ』を短期間で導入しましたが、ポータルは多くの顧客に情報を公開していくため、顧客ごとに提供する情報が正しく制御できるか心配していた部分もありました。それでも設計部分からアドバイスいただくなど一緒に進めていくことができ、短い期間でリリースすることができました」と講神氏は高く評価します。岩崎氏も「構築の段階からいろいろ質問させてもらっていますが、実際にわれわれの環境を見ていただいて迅速に返信いただくなど、とても手厚く支援いただけて感謝しています」と評価します。
今後の展望「LMIS」への移行を進めながら、さらなる効率化と蓄積されたナレッジ活用を進めたい
「今後については、現在の案件を順次『LMIS』の環境に移行していくことで全ての環境を統合していきながら、効率的な運用への改善を進めていく計画です。『DXフロー』を強化し、お客様へより品質の高い運用業務を提供していきたいと考えています」と関氏は意欲的に語ります。
また蓄積されたナレッジの管理、活用についても検討しており、「『LMIS』に蓄積されているデータをどう活用するのかも検討したいところです。将来的にAIと連携させながら、ナレッジを価値ある運用データに変えていくというところがポイントになってきます。また、当社ではリモート運用サービス以外にさまざまな運用サービスを提供している部署があるため、社内全体で活用していくなど、『LMIS』で全ての運用を統合していくような動きにもつなげていきたい」と講神氏は「LMIS」のさらなる活用に意欲的です。
リリースしたばかりの「LMIS/コンシェルジュ」についても、「今後はポータルを通じてお客様へのサービス品質を高めるための情報提供を効果的に進めていきたい」と講神氏は力強く語りました。
CTCシステムマネジメント株式会社
事業内容
ITシステムの運用管理サービス、インフラ運用管理サービス、業務・アプリケーション運用管理サービス、ソフトウェア開発サービス、衛星通信・放送運用サービスの提供
設立 2008年7⽉1⽇(創立1984年10⽉)
従業員数 1,851⼈(2024年4⽉1⽇)