提供するITサービスの品質に関わる情報共有と属人化の課題解消に貢献|北陸コンピュータ・サービス株式会社 様

ITサービスマネジメントの高度化に必要な基盤となる「LMIS」
コンサルティングからシステム運用まで幅広いICTサービスを提供している北陸コンピュータ・サービス株式会社では、Excelなどを活用して個別最適化されたITサービスマネジメントから脱却してITサービスの品質向上を図るべく、ユニリタが提供するITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」を採用しています。
課題
- サービスごとにインシデント管理などの運用が属人化、部門間の情報共有も不足
- インシデント管理や問題管理などがExcelベースで個別最適化
- ITサービスのさらなる品質向上が必要に
解決策
- ITIL準拠のITサービスマネジメント環境を整備
- ITサービスマネジメントによるITサービスの高度化、標準化を実現
- ITサービスの品質、および組織力の向上に「LMIS」が貢献
導入メリット
コンサルティングからシステム運用まで“お客さま起点”でさまざまなICTサービスを提供している北陸コンピュータ・サービス株式会社では、これまで個別最適化された形でITサービスマネジメントに取り組んできたが、サービスの品質向上を目指し、ITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」を採用。データセンター事業を中心に、「LMIS」によってITサービスマネジメントの標準化、高度化を実現し、業務効率化にも大きく貢献している。
目次
課題ITサービスマネジメントの標準化によってITサービスの品質向上を目指す

執行役員
サービスサポート本部長
岡崎 武俊 氏
「ICTサービスの提供を通して地域社会とお客さまの発展に貢献し続ける」を経営理念に掲げ、北陸3県を基盤に“お客さま起点”の姿勢でさまざまなICTサービスをワンストップで提供している北陸コンピュータ・サービス株式会社。富士通と三谷産業の共同出資によって1967年に発足した同社は、地域流通VANの提供など流通業を中心とした顧客へのサービスに強みを持っており、近年ではクラウド利用拡大に合わせて建設した「剱データセンター」や生成AIなど新分野・新技術の研究・開発・実用化に取り組む「Tech Strategy Lab」の設置など、変化への対応力に磨きをかけながら、総合力を高めて幅広いニーズに応えていくための環境整備に注力しています。

サービスサポート本部 センター事業部
データセンター データセンター長
担当部長
髙木 貴好 氏
そんな同社では、提案からサービス実装、運用保守に至るまで手厚い支援を通じて顧客満足度の高い対応を実施していますが、属人的な運用が多く、部門間での情報共有も十分ではなかったと言います。「サービスごとにインシデント管理や問題、変更管理などを実施していますが、Excelベースでの属人化した運用が中心でした。ITサービスの品質を向上させる改善活動など、次のアクションにつなげていける環境とは言えなかったのです」と執行役員 サービスサポート本部長 岡崎 武俊氏は当時を振り返ります。ITサービスマネジメントの標準的な体系であるITILに関する知識やその重要性は認識していたものの、それらを標準的な形で運用していくための基盤づくりが課題となっていたのです。
そんな折、既存顧客に向けた受託系のストックサービスを広げていく動きが加速し、組織的にITサービスマネジメントのプロセス品質を高めていくことが求められました。「属人化した運用では人為的なミスが発生するリスクもありますし、何か障害があっても担当者以外のメンバーに情報が伝わらない。そこで、外部のコンサルタント協力のもと、ITサービスマネジメント体系の見直しに着手することにしたのです」と語るのはサービスサポート本部 センター事業部 データセンター データセンター長 担当部長 髙木 貴好氏です。
解決策企業の考え方に共感、テンプレートが充実しているITIL準拠の「LMIS」を評価
当時は、組織のプロジェクトマネジメント能力を評価するCMMIでレベル2相当だったため、次のレベルを目指してITサービスマネジメントのプロセス見直し、文書化・標準化などを進めていきました。同時に、部門間で情報共有でき、かつ標準的な運用に落とし込んでいく基盤整備も求められたのです。
海外の高額なソリューションも基盤候補に挙げるなか、情報収集する過程で注目したのが、ユニリタが提供するITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」でした。「技術畑のメンバーが多く、道具の選定から入ってしまいがちですが、たまたま情報収集の過程でユニリタマガジンに触れる機会がありました。企業の考え方や汎用機を含めたビジネス領域への展開に関して、規模は異なるもののわれわれと重なる部分が多く、面白い会社だと感じたのがきっかけです」と岡崎氏。社名に含まれる“利他”の精神で行動するという企業理念にも共感し、その流れで「LMIS」の存在を知ったのです。
「LMIS」に関しては、「当初からインシデント管理をはじめとしたITILの各プロセスに対応できていることは必要条件で、『LMIS』であれば十分われわれのニーズを満たしてくれると考えました」と髙木氏は振り返ります。また、テンプレートとなる運用の雛形が揃っており、軌道に乗せていきやすい点も評価のポイントです。
拡張という観点では、「LMIS」がForce.com上で稼働するクラウド型のITサービスマネジメントプラットフォームだったことも功を奏しました。「いずれ社内システムとの連携も含めてカスタマイズが必要な場面も出てきます。ローコード的なアプローチで柔軟に拡張していけると判断したのです」と岡崎氏。将来的には顧客向けにセルフサービスポータルなどの提供が可能なことはもちろん、事前に「LMIS」を学ぶための教育機会やお試し版にて自社への適合性を確認できるなど、同社に適した環境整備が実現できると判断。
結果として、同社が掲げるITサービスマネジメントの標準化およびITサービス品質向上に資する基盤づくりに、「LMIS」が採用されることになったのです。
導入効果「LMIS」によって組織力の強化を実現、ITサービスの品質向上に貢献
現在は、データセンター事業を中心にサービスサポート本部全体で130名ほどが「LMIS」を活用しており、インフラ系サービスを軸に100を超えるサービスのITサービスマネジメント基盤となっています。また、一部流通業務の開発部門でも10名ほどが「LMIS」を使っています。具体的には、インシデント管理や問題管理、変更管理、リリース管理などITILの各プロセスに必要な機能を運用しており、構成管理については、従来の台帳をインポートしたうえで有効活用していくための環境整備を進めています。なお、クラウド環境で利用できるだけでなく、テンプレートも備わっていたことで、わずか2カ月ほどで運用を開始することに成功しています。

現在は、業務に関連したQAも含めたインシデント登録が月間350件ほど、問題管理や変更管理などはそれぞれ100件前後が登録されている状況です。「サーバーやネットワークなどのサービスインフラをZabbixにて監視していますが、システムからのアラート通知をイベント管理に落とし込み、必要なものをインシデント登録するプロセスも組み込んでいます」と同本部 データセンター リーダー 粟田 雅之氏は説明します。

サービスサポート本部
データセンター リーダー
粟田 雅之 氏
「LMIS」を導入したことで、前日に発生したインシデントを毎朝のミーティング時に共有できるようになりました。「どんなインシデントを問題管理に移すのかといった議論ができるだけでなく、類似事象が発生したときは過去の情報を参考に迅速な対処が可能です。担当者しか知り得なかった情報が部内全体で共有できるようになった効果は大きい」と同本部 データセンター 大泉 圭史氏は評価します。また、監視装置からのアラート内容を分析して閾値を調整するなど、インシデント件数削減に取り組むことで、人的リソースの効率的な活用にも役立っています。
岡崎氏が評価するのは、ITサービスマネジメントの標準化とともに、登録されたデータを活用することで、障害の再発防止などサービス品質や組織力の向上に貢献している点です。「インシデント対策の会議時に必要な資料は『LMIS』を参照すれば済むため、資料づくりの工数は不要です。また、お客さまへ毎月提出しているインシデント報告資料も半分以下の工数で済むなど、定量的な効果も得られています」。報告書作成はもちろん、インシデントの効率的な抽出やテンプレート活用による効率的なシステム改修など、トータルで年間70人日の削減につながっていると評価します。

サービスサポート本部
データセンター
大泉 圭史 氏
「LMIS」の実装を担当した粟田氏は「Salesforceの知識がほぼなかったため不安は確かにありましたが、ユニリタが開催する勉強会に参加させていただけて助かりました。既存運用に合わせた調整時にも、基本のテンプレートを軸にローコードツールとしてチューニングしやすく、柔軟に対応できる『LMIS』のおかげで運用に乗せやすかった」と評価します。大泉氏も「『LMIS』のヘルプが充実しており、Salesforceの知識が十分でなくともシンプルな変更であれば対応できます。困ったときでもサポートに問い合わせると具体的な手順を詳しく教示いただけました」と力説します。とくにメール通知の設定やユーザーの権限および承認フローの構築など、充実したサポートのおかげで早期に導入することができたと好評です。岡崎氏の立場からすれば、「粟田や大泉がファシリテートしながら導入から定着まで取り組んだことで、メンバーの成長にプラスで働いている効果も見逃せない」と評価します。
ITサービスマネジメント全般を取りまとめているサービスサポート本部 センター事業部 センター事業部長 兼 BPOセンター長 古島 正氏は、「属人化した運用が解消できたことは何よりで、組織力を高められたことが大きな効果です。機能が充実していても宝の持ち腐れとなってしまうソリューションは少なくありませんが、しっかりと使いこなしていけるまでサポートいただけて感謝しています」と評価します。
今後の展開他部門への「LMIS」展開とともに、サービス継続性向上への活動にもつなげたい
現在はデータセンター事業を中心に「LMIS」を運用していますが、他事業への横展開も含めて全社的なITサービスマネジメントの基盤として拡張していく予定です。他部門に拡張するためのカスタマイズやデータ活用のためのダッシュボードづくりなど、今後もユニリタの支援に期待を寄せています。「『LMIS』はもちろん、われわれはメインフレームの運用についても課題を抱えており、その辺りの支援についても相談させていただきたい」と髙木氏、また「われわれと似たようなビジネス領域のサービスをお持ちですので、いろいろ情報提供いただきながら支援の範囲を広げていただきたい」と古島氏は語ります。
「LMIS」によってITサービスマネジメントの環境が定着し始めた同社ですが、今後はITSMSに関する国際規格であるISO/IEC 20001の取得をはじめ、サービスの継続性向上に向けて「LMIS」の構成管理をしっかり運用に乗せていきたいと言います。「国際規格の取得に向けて取り組みを始めていますが、その背中を押してくれたのが『LMIS』だと考えています。また、サービス継続計画を定めていますが、『LMIS』の構成管理で現状を的確に把握したうえで、サービスの継続性向上に資する環境整備を行っていきたい」と今後について岡崎氏に語っていただきました。

北陸コンピュータ・サービス株式会社
事業内容
コンサルティング、ソフトウェア開発/保守、ICTインフラ構築、ネットワーク構築、データセンター、アウトソーシングなど、ビジネスに求められるICTサービスをワンストップで提供
設立 1967年10月12日 (昭和42年)
従業員数 648名 (2024年4月1日現在)