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ITIL準拠のインシデント管理で 問い合わせ内容を可視化|株式会社アデランス 様

ITIL準拠のインシデント管理で 問い合わせ内容を可視化|株式会社アデランス 様

業務改善につなげるサービスマネジメント基盤の構築をLMISで実現

トータルヘアソリューション事業のリーディングカンパニーとして業界をけん引する株式会社アデランス。同社では、情報システム部に寄せられる現場からの問い合わせ内容の可視化と改善によるヘルプデスク対応の品質向上を目指し、サービスマネジメントのスタンダードであるITIL準拠の環境づくりに取り組んでいます。そこで、インシデント管理をはじめとした社内ヘルプデスクの業務基盤として、ユニリタが提供するサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」が採用されています。

導入のメリット

ITILを社内に浸透させることで、Excelから脱却し、ITIL準拠のサービスマネジメント基盤の整備に成功。また、わずか3ヶ月という短期間での稼働と、CTI連携による業務の効率化も実現。過去のナレッジを活かして問い合わせ対応の高品質化にも貢献。

課題社内でヘルプデスク体制を整備したことにより、業務の効率的な運用が必要に

1968年の創業以来、ウィッグやヘアケア商品を中心としたトータルヘアソリューション事業のリーディングカンパニーとして、グローバルに事業を展開している株式会社アデランス。男性向け「ADERANS」をはじめ、女性向け「レディス アデランス」「FONTAINE」、毛髪移植「BOSLEY」、海外ウィッグ「HAIRCLUB」という5つのブランドを核に事業を拡大しています。経営ビジョンである「グッドカンパニーの実現」を掲げ、日本をはじめ、北米や欧州、アジアなどグローバルに事業を展開。毛髪・美容・健康を含めたウェルネス産業を通じて、世界中の人々に夢と感動を提供することを目指しています。

安生 浩氏

情報システム部長
安生 浩氏

そんな同社では、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)に向けたIT投資を積極的に推し進めており、PCやネットワーク、サーバも含めたIT領域の運用管理を行っている情報システム部を中心に、ITに関連した問い合わせを受け付けるためのヘルプデスクを設置しています。このヘルプデスクでの問い合わせ管理には、これまでExcelが用いられており、情報がメンバー間でうまく共有できずに全体を見通すことが難しいなど、課題が顕在化していました。「私が最初に情報システム部に来たときに、ヘルプデスクにかかってくる電話の数が異常に多い印象でした。情報が共有されていないため、同じ問い合わせに何度も対応せざるを得ず、本来やるべき業務に集中できていなかった。そこで、過去のナレッジをうまく活かして、効率的に対応できる環境づくりが必要だと考えたのです」と語るのは、情報システム部長 安生 浩氏です。

宮崎 洋和氏

情報システム部
次長
宮崎 洋和氏

また、一部業務アプリケーションに関する問い合わせは外部に委託していましたが、原則マニュアルをベースにした対応が中心となっており、深いレベルまで問い合わせに対応できていない状況が続いていました。「ユーザが本来知りたい問い合わせ内容にその場でしっかり回答できるよう、外部委託していた環境から社内にて体制を新たに整備し、問い合わせ対応の専任部隊を設置したのです」と情報システム部 次長 宮崎 洋和氏は語ります。

新たに設置された専任部隊がヘルプデスク業務を効率的に行うことができるよう、インシデント管理をはじめとした問い合わせ管理が可能な新たな環境構築を模索することになったのです。

解決策ITIL準拠のLMIS、発展性と柔軟性が採用の大きなポイントに

ヘルプデスクの基盤づくりに際して、当初からITILによるサービスマネジメントの標準化を検討していた安生氏。そこで注目したのが、ユニリタが提供するITIL準拠のサービスマネジメントプラットフォーム「LMIS」でした。「ITILを念頭に業務プロセスを構築することは考えていたものの、最初から問題管理や変更管理などITILを構成する要素全てを実装するのではなく、あまり欲張りすぎないよう、まずはインシデント管理がしっかりできる基盤を整備したいと考えたのです」と安生氏。また、すぐに始められるクラウド環境で利用できる点も高く評価したといいます。「インストールの手間がかからないうえ、嫌ならすぐに止められる。まさにクラウドのメリットも感じていました」と宮崎氏は語ります。

安生氏が「LMIS」を高く評価したのは、その発展性でした。「LMISはサービスマネジメントにフォーカスしたツールですが、プロジェクト管理に応用することも可能です。またSalesforceが基盤となっているため、APIを活用した外部連携にも柔軟に対応しており、将来的な発展性がある点を高く評価したのです」。発展性という意味では、電話が入ってきた段階で自動的にインシデント発行が可能なCTI連携の仕組みを当初から想定されていました。このCTI連携に関しては、ユニリタの子会社としてSIソリューションを提供する株式会社無限が、AWSを使ってサーバレスで「LMIS」にて自動的にインシデント発行する仕組みを実装しています。「選定当初は意識していませんでしたが、CTI連携でのインテグレーションが同じグループ会社の中で実装できたのは、結果としてありがたかった」と安生氏は評価します。

一方で宮崎氏が重視したのは、同社に適した形に柔軟な対応が可能かどうかという点です。「新しいものを導入するときは、現場での慣れも必要なため、管理できる項目がフレキシブルに変更できるかどうかはとても重視しました。標準的なものはもちろん、私たちにあった言葉や項目に柔軟に対応できる必要があり、LMISであればその要求を満たすことができると考えたのです。柔軟性がなければ、正直Excelと変わりません」と宮崎氏。もちろん、対応に向けたスピード感も重視したと振り返りました。

結果として、ユニリタが提供する「LMIS」が、同社が展開するヘルプデスクの業務基盤として採用されることになったのです。

導入効果CTI連携でインシデント発行の自動化を実現、
業務の標準化にも貢献

現在は、社内にヘルスデスク専任部隊を設置し、そのメンバーが社内外からの問い合わせを電話で受け付けており、受電した段階で「LMIS」のインシデント管理に自動的に登録できるようになっています。ヘルプデスクのスタッフ以外が電話を受け付けた場合もLMISへの登録を行うという運用を徹底しており、全体では20名ほどがLMISを活用している状況です。

問い合わせ内容は、PCやネットワークなど社内のITインフラに関するものはもちろん、社外からの売り込み電話や取引先から社内担当者へ取次を依頼するものなど、その内容は多岐にわたっており、現状は平均で1日70件ほどの問い合わせが寄せられています。

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特に業務アプリケーションの入れ替えなど問い合わせが発生しやすいときには、1日100件を超える数の電話がヘルプデスクに寄せられるケースもあるほど。そんな問い合わせの状況は、LMISのダッシュボード画面からその場で確認できるようになっており、「日常的に持ち歩いているタブレットでグラフを確認するなど、便利に利用しています」と安生氏は語ります。

また、メンバーとともに週1回のペースでインシデントに関するミーティングを実施しており、優先順位の確認や進捗状況の共有などが行われています。「LMISを道具として使うだけでなく、メンバー間でのコミュニケーションツールとしても活用できるのは大きいところです」と宮崎氏は評価します。なお、情報システム部のプロジェクトにおけるWBSを作成するなど、プロジェクト管理のツールとして「LMIS」を一部活用していると説明します。

実際、「LMIS」をサービスマネジメントの基盤として整備するプロジェクトでは、ソリューション決定から3ヶ月ほどで第一弾の稼働を開始しており、クラウドサービスならではの迅速な導入を実現しています。そして、CTIとのAPI連携を第二弾の開発で実装し、今ではクラウドサービスのCTI上でイベントが発生したタイミングでAWS Lambdaにて情報を取りに行き、LMIS側で自動的にインシデント発行できるような仕組みを実装しています。

「CTIと連携することで電話の宛先から種別を自動的に切り分けることが可能となり、社内からの問い合わせなのか取引先からの取次電話なのかなど、コール内容の統計情報も容易に把握できます。その情報をもとに業務改善にも役立てています。例えば特定の業務アプリに関する問い合わせが多くなれば、その改善に向けてマニュアルを配布するなど、少しでもシステムを効率的に運用できるような活動につなげています」と安生氏は説明します。特に取次電話は全体の3割ほどあるため、取引先にきちんと担当者の電話番号を伝えるよう徹底するなど、重要な問い合わせだけに集中できる環境づくりも進めています。

CTIシステムとLMISの連携図

「LMIS」を使ってサービスマネジメントの基盤を整備したことで、途中から入ってきたメンバーでも過去のナレッジを活かして問い合わせ回答にスムーズに対応できた事例も数多く出てきており、ヘルプデスク業務の属人化を防ぎ、作業の標準化に大きく貢献していると宮崎氏は語ります。「ヘルプデスクの体制づくりはもちろん、LMISを使ったサービスマネジメントの環境整備ができていなければ、運用が破綻していた可能性もあります」と安生氏はその効果を実感しています。もちろん、業務の状況が可視化できるようになったことで、リソース増強に向けた根拠にも役立ちます「どこかのタイミングで人員増強などの話も出てくるはずです。本来業務に支障が出ていることが数字の上から示すことができるため、リソース調整の根拠になるはずです」と宮崎氏は語ります。

ほかにも、ITILを情報システム部内に啓蒙できたことも、大きな効果の1つだと安生氏は力説します。「標準的な手法を学ぶことができたことも大きな効果です。また、ユニリタが運営を委託されている『システム管理者の会』には、「システム管理者認定講座」というITILを中心としたシステム運用の幅広い知識を習得できる講座が用意されています。他社のセミナーと比較しても安価に提供されているため、情報システム部のメンバーも数多く受講しています。サービスの提供だけでなく、ITILを学ぶきっかけをいただけたことが何よりもありがたい」とITIL学習の機会提供という意味でもユニリタを高く評価しています。宮崎氏も、「私たち情報システム部として弱い部分をカバーしてくれるさまざまなコンテンツをユニリタが持っており、それを今活用させていただいています。営業も含め私たちのためにさまざまなご提案をいただけており、とても助かっています」と高く評価します。    

なお、今回クラウドCTIとLMISの連携に関するインテグレーションを行った(株)無限についても、同社に最適な形で仕組みが実装できたことを高く評価します。「以前からサーバレスアーキテクチャを活用してみたいという思いがあり、試すにはちょうどいい機会でした。今回AWS Lambdaを使って受電からインシデント発行の自動化を実現していますが、非常に前向きに取り組んでくれました。グループ挙げての取り組みに感謝しています」と安生氏。

今後の展開ITIL全体のプロセスへ拡張しながら、プロジェクトごとにLMIS連携できる環境を推進

現状は電話での問い合わせのみに対応していますが、チャットやメールでの問い合わせもLMIS内のインシデント管理に自動登録できるような仕組みも検討したいと語ります。また、LMIS内に蓄積されたナレッジを活用し、チャットツールなどで自動回答するなど、電話での対応負荷を軽減することで本来業務に注力できる時間を確保しながら、効率的に回答できる環境づくりにも取り組んでいきたいと言います。「問い合わせした人に向けて、その対応状況の進捗をメールで知らせることで、自分が問い合わせしたものがほったらかしにされていないことが分かるようにしたいと考えています」と安生氏。

今後は、軌道に乗ったインシデント管理をさらに拡張していき、本来ITILが定義する問題管理や変更管理、構成管理、リリース管理といった各種機能も活用するなど、LMISが持っている機能をフル活用していきたいと語ります。

「ITILのサービスオペレーションだけでなく、サービスの設計から開発、実装まで落とし込むサービスストラテジーも含め、全てのプロセスをカバーしていきたいと考えています」と安生氏。実際、すでにリリース管理は活用し始めており、今後も必要な機能を適宜使っていきながら、全体的な機能拡張に広げていきたい考えです。


株式会社アデランス

事業案内

毛髪関連事業、ビューティ&ヘルス事業、グループ会社の経営管理ならびにそれに付帯する事業

設立 1969年(昭和44年)3月1日

従業員数 6,505名(2019年2月末現在)

URL https://www.aderans.co.jp/

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