ヘルプデスクの電話対応を短時間化|日本調剤株式会社 様
~受けた電話での完結率が10%以上向上~
「医薬分業」を理念に全国47 都道府県で調剤薬局を展開している日本調剤株式会社(以下、日本調剤)では、既存のヘルプデスク用システムでは検索スピードに遅延が発生し、店舗数の増加に伴う問い合わせの増加に対応できない状況から、ヘルプデスク用システムの刷新に取り組みました。そこで採用したのが「LMIS」でした。実際のヘルプデスク業務も担当し、「LMIS」の選定から導入にも携わった、同社システム第一部のご担当者4 名の方に、製品選定のポイントや導入効果について伺いました。
導入メリット
- 受けた電話での完結率は、従来の40%未満から50%超へと10%以上向上
- 平均対応所要時間が8分から6分に、約2分短縮
- ダッシュボードやレポート機能を使い、月次報告における資料の作成時間短縮
目次
導入の経緯店舗数増加に伴う問い合わせ増加にヘルプデスク業務が 追い付かない
システム第一部
次長
小宮 尚之 氏
従来の紙のお薬手帳に代わる電子お薬手帳アプリ「お薬手帳プラス」を提供するなど、新しいアプローチで、全国47 都道府県に調剤薬局を展開しているのが日本調剤です。2017 年6 月現在、565 店舗を展開していますが、店舗数増加や業務システム増加に伴い、ヘルプデスクへの問い合わせ数も増加し、その内容も多様化してきました。
しかし、従来のヘルプデスク用システムでは、データ量増加により応答時間が延びていました。調剤薬局から電話を受けた左田野氏が、問い合わせに対応するためにシステムで検索を行うと、検索結果が表示されるまで60 秒近くかかる様になっていたことから、いったん電話を切り、問い合わせ元に電話をかけ直すといったケースが増加。しかも、電話をかけ直す前に、次の電話を受けてしまう“問い合わせのオーバーラップ”も発生してしまうことから、業務効率改善、顧客満足度向上のためにもヘルプデスク用システムの刷新を行うことになりました。
選定のポイントクラウド活用でハイパフォーマンスかつ安定したシステムを実現
そこで採用されたのが、「LMIS」ですが、採用のポイントは 何だったのでしょうか。
システム第一部
左田野 早知 氏
調剤薬局の店舗や本支店間のインフラ環境構築と整備に加え、実際にヘルプデスク業務を運用している同社システム第一部の次長、小宮氏はこう説明します。
「新たなソフトウェアを導入する際に、最終的にはそのソフトウェアの機能で選定します。しかし、ソフトウェアを動かすためのハードの交換なども考慮すると、クラウドの方が望ましい。社内では『どうしてもオンプレミスでないと、そのソフトウェアが使えない』という場合以外は、原則としてクラウドか仮想基盤を選定しています。今回のヘルプデスク刷新でも4 社の提案を受けましたが、1 社はオンプレミス。「LMIS」を含めた3 社はクラウドでの提案でした」
ヘルプデスクチームで問い合わせ対応を行っている左田野氏は、ITシステム導入における会社の方針に加え、「今回は検索が遅いという課題を解消することもあり、システムが軽快に稼働するという面からも、クラウドであることは重要なポイントだった」と説明します。
システム刷新にあわせ、検索スピード以外に「使いづらい」と感じていた箇所を改善できるかという点や価格のバランス、将来的に他の業務にも活用できる拡張性があるかなどを、製品選定に携わった4 名のメンバーで検討。評価シートを作成した結果、全員が1位とした「LMIS」で、新たなシステムを構築することになったといいます。
導入の効果従来不便だった点をどう定義するかが最大の関門
「LMIS」を選定してから稼働までの期間は約3 ヵ月。この間で、一番苦労した点は何だったのでしょうか
システム第一部
北川 真之 氏
北川氏は「製品が変わるので、従来活用していたカテゴリなどをそのまま当てはめることができるかを洗い出す、棚卸の作業から始めました。特に大変だったのが、従来不便だった点をどう改善するかの定義でした」と説明します。
システム第一部は、ヘルプデスクを実際に運用するユーザの立場でもあり、かつ製品選定や導入の実務を行う部門でもあることから、ヘルプデスク業務の実情を知り尽くしています。「どう改善するとよいのか」を実務レベルで熟考できる分、検討にも時間がかかったといいます。
北川氏は「旧システムからのデータ移行では、どのデータを移行するかを検討する際に、ダウンサイジングを考え始めてしまうと止まらなくなってしまった」という点を挙げています。こうした調整を、チームで集まり解決していきましたが、「次々と宿題が発生する」(左田野氏)という状況の中、ヘルプデスク業務を終えてから週1 回1 ~ 2 時間の時間を作り出すことも、日常の業務との兼ね合いから大変だったといいます。
多くの企業では、IT システムの導入に際し、選定や構築を行う部門と、実際にシステムを活用する“現場”との調整で時間を取られる傾向がありますが、日本調剤では実際のユーザでもあるシステム第一部のメンバーが、「どう改善するか」という点などを検討し決定していたことが、3 ヵ月という短期導入の大きな要因だったといえます。
導入の効果電話を切らずにクロージングできる割合が増加
「LMIS」による新システムで、ヘルプデスク業務にどのような効果が生まれたのでしょうか
北川氏は「従来は、検索結果の表示に60 秒かかっていて電話を一旦切らざるを得なかったものが10 秒以下になり、受けた電話の中でのやりとりでクローズできる割合が増えた」という点を真っ先に効果として挙げます。
月1000 件以上の問い合わせが寄せられるヘルプデスクだけに、従来は一度電話を切ってまたかけ直すと業務効率が悪化し、折り返しの電話をする前に別の問い合わせの電話を受けてしまい、最初の問い合わせへの対応がさらに遅れるというケースも発生していましたが、新システム導入後は、受けた電話での完結率は、従来の40%未満から50%超へと10%以上向上。目安としている5 分以内でのクロージングが大幅に増加したといいます。
「問い合わせに短時間で答えるという当たり前のことがようやくできるようになりました。電話対応の時間が短くなれば、必然的に他の業務にかけることのできる時間が増えます」と左田野氏は問い合わせ時間の短縮の効果を強調します。
また、北川氏が挙げたのは月次報告における資料の作成時間短縮です。北川氏は、問い合わせの件数やその内容などの分析を行い月次で報告していますが、「LMIS」のダッシュボードやレポートの機能が充実しているので、見やすい報告書を短時間で作成できるようになったといいます。
これからFAQサイトの構築やワークフローなどに拡張も
今回のヘルプデスク用システムの刷新にあたり「将来的に他の業務にも活用できる拡張性」も製品選定のポイントでした。具体的にはどのような業務を視野に入れているのでしょうか
既に進めているのが、FAQ サイトの構築です。電話問い合わせのノウハウをマニュアル化して公開するFAQ サイトにより、ユーザの利便性を図るとともに、電話問い合わせ数の低減を狙うというものです。
また、現在は申請書による紙ベースの申請業務を、「LMIS」のワークフロー機能で行いたいという要望も出てきているといいます。
北川氏は、「導入時に各種の調整で時間を作るのがとにかく大変でしたが、疑問点が出てきたときのユニリタの対応は早かった。導入後の問い合わせ窓口の対応が早く、高いサポート品質に大変満足している」とユニリタを評価しています。今後も、各種業務への「LMIS」の拡張に際して、ご満足いただけるサポートを続けてまいります。